SUBARU のデータ活用−2 基盤構築から Google 広告との連係までの 8 年間について
Google とのデータ連係で、潜在顧客へ効率的にアプローチ
「Treasure Data CDP」を活用し「Tableau」 などの分析ツールでデータを可視化したSUBARU ID化に伴うデータ整備によって統合マーケティング基盤を構築
2020年から取り組んだのが、ファーストパーティ データと Google など外部システムとの連係
従来のマーケティングは、年齢や性別、興味関心などに基づいて情報を届けてきた。
しかし価値観が多様化しているこれからの時代においては、SUBARUが提供している価値に共感してもらえる顧客に届けることこそがマーケティングの重要な役割だと考える。
その鍵を握るのが、ファーストパーティ データの活用と、AI による最適化
Google とのデータ連係で期待したのは、2 つ
「潜在的な顧客層とそのニーズを把握」
「検討の前段階にいる潜在顧客に対して配信している動画広告の効果測定の精度を高めること」
1 つ目の潜在的な顧客層とそのニーズを把握すること。
従来も取得したデータから車の購入を検討している顧客層は理解できていましたが、
さらに前の段階にいる潜在顧客層を深く理解することはできていませんでした。
潜在顧客層の特徴やニーズを理解するには、
外部データと連係し、検討前の行動を確認しなければいけません。
これが分析できれば、その後の購入確率の高い潜在顧客の行動を把握し、適切にアプローチできると考えました。
2つ目は、そうした検討の前段階にいる潜在顧客に対して配信している動画広告の効果測定の精度を高めることです。
動画広告の接触/非接触や接触回数、頻度などによって、顧客行動がどう変化し、購入確率がどう変わるのかを確認できれば、さらに適切な予算配分を見極められると考えました。
なおSUBARUの場合、ファーストパーティ データと Google 広告など外部システムとの連係はスムーズに進みましたが、それは統合マーケティング基盤を構築する段階から、その後のデータ活用や連係を見据えていたことが大きな要因です。
プライバシーポリシーの改訂や、顧客に許諾を再取得するといった工程が必要になるため、法務など各部門との調整がハードルになるケースも聞きます。当社ではオプトアウト(データの取得を許可しない)機能を備えるなど、顧客のプライバシーに最大限配慮して連係を進めました。
カスタマー マッチなどの導入で、コンバージョン単価が 20% 改善
広告運用にあたり、実際に導入したのがカスタマー マッチと拡張コンバージョン
まずは、潜在顧客に適切にアプローチする方法として、2023 年 4 月にカスタマー マッチを導入
「最適化されたターゲティング」でマーケティング目標の最大化をゴールにディスプレイ広告を配信。
導入から 6 カ月間での効果を従来のディスプレイ広告と比較したところ、
コンバージョン単価が 20% 改善したのに加え、ディーラーへの来場や試乗予約、資料請求、販売店の検索、オンライン商談の予約、見積もりなど各接点でのコンバージョン増に寄与していることも確認できました。
また、サードパーティ Cookie 廃止後を見据えて、拡張コンバージョンも導入。
自社の Web サイトで取得したファーストパーティ データをプライバシーに配慮した形式、方法で Google に送信するため、コンバージョン計測を補完し、より正確にマーケティング成果を測ることができます。導入による計測の精緻化の結果入札へ使うシグナルも改善され、ある車種に関して広告経由でのカタログ請求のコンバージョン数は 14.5% 改善しました。
こうした目に見える成果を上げられた要因は、ディーラーへの来場予約やキャンペーンへの応募、車の購入といった質の高いファーストパーティ データがあったこと、そしてそれに基づく Google AI の最適化です。
今後に向けて
現在は、Google の他にも、さまざまな AI ツールとの連係を進めています。さらなるマーケティング効果の向上とビジネス成長の実現に向けて、今後もデータ活用を積極的に進めていきたいと考えています。
本日はありがとうございました。これからもSUBARUにご期待ください。
カスタマー マッチ:カスタマーマッチ(Customer Match)は、特にデジタルマーケティングや広告プラットフォームで使用されるターゲティング手法です。この手法を使うと、企業は既存の顧客データを活用して、オンライン広告を特定の顧客に対して効果的に配信することができます。
カスタマーマッチは、既存の顧客データを活用して、より効果的な広告キャンペーンを実施するための強力なツールです。適切に活用すれば、企業のマーケティング効果を大幅に向上させることができます。
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