SUBARU人:SUBARUびと フォレスターAWDシステム制御の魅力を探る

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改良モデルが発表されたフォレスター。フォレスターAWDシステム制御を磨き上げたのは、「アクティブトルクスプリット*2」というAWDシステムの制御刷新を担当したエンジニア・平尾公一に、当時を振り返ってもらいました。




仕事は違っても、「笑顔をつくる」という想いでつながる「SUBARUびと」。様々な部署で働く「SUBARUびと」を、仕事内容や職場の雰囲気を交えてご紹介します。

平尾 公一(ひらお こういち)

2014年に中途入社。学生時代は機械工学を専攻し、前職含め、一貫してトランスミッションの開発に従事。第6世代フォレスターや2022年に登場した第6世代インプレッサでは、“先行開発”と呼ばれる企画段階から開発に参画し、非常に愛着が強い。

駆動トルク配分を緻密に制御し、安心と愉しさを感じる走りを実現

第6世代フォレスター*1の開発プロジェクトにおいて、「アクティブトルクスプリット*2」というAWDシステムの制御刷新を担当しました。SUBARU車は前方にエンジンがあるため、前後重量配分ではフロント側の方が重たいです。それに合わせてこのシステムでは、基本の駆動トルクを前60:後40とフロント側に多く配分することで、SUBARUらしい安心感のある走りを実現しています。

今回の新制御では、市街地走行などの低い速度域においては、従来よりもリヤ側の駆動トルク配分を増やすことで操舵応答性を向上させ、これまで以上に軽快で愉しさあふれるAWD制御に仕上げました。








技術を手のうち化し、部署の垣根を越えて理想のハンドリングを実現

今回制御変更した箇所は、以前から「ここを変えれば軽快なハンドリングになるはずだ」というイメージは持っていましたが、理論的に解明はできていませんでした。SUBARUのAWDはこれまで多くのお客様から高い評価をいただいてきましたから、お客様の期待を裏切らないためにも、理論的に説明できない技術を入れることはできません。それを今回実現できたのは、AWDの研究を行う特命チームが原理検証を行い、原理原則を解き明かすことができたからです。クルマがこれだけ加速すると重量配分はこうなるから、最適な駆動トルク配分はこれだ…というのを定量的に示せるようになったことで、システムに組み込むことができました。

「SUBARUらしいAWD」をさらに突き詰めていきたい

また今回の取り組みでは車体開発のエンジニアとも連携を深め、AWD制御・足回り・電動パワーステアリング(EPS)のセッティングを一括して行いました。これまで車体開発のエンジニアがAWD制御に関するデータに触れる機会はあまりなかったのですが、部門の垣根を越えて情報をシェアすることで「ここはAWD制御を変えた方がいいクルマになるな」「あそこは足回りの調整で解決できるはずだ」という新たな発想が生まれてきたんです。

従来の制御でもお客様から高い評価をいただけていましたが、AWDはSUBARUのアイデンティティの1つですから、もっともっと良くしていきたいんです。今回の取り組みを通じて、自分自身もAWD制御の伸びしろを実感できたので、今後拡大していく電動車においても「やっぱりSUBARUのAWDはいいよね!」と感じていただけるよう、これからもチャレンジ精神をもって取り組んでいきたいと思います。

下記はAWD制御を司る、TCU(トランスミッションコントロールユニット)

スバルのTCU(トランスミッションコントロールユニット)は、トランスミッションの動作を制御する電子機器で、自動変速機のギアチェンジや変速比の調整などを行います。
TCUの役割は・・・
ギアチェンジの制御:アクセル操作や車速など、様々な情報を基に、適切なギアに自動で変速します。
変速比の調整:トルクやエンジン回転数など、様々な情報を基に、最適な変速比を調整します。
その他の制御:パドルシフトやモード切替スイッチの操作、エンジンブレーキの調整などもTCUが行います。

続きはこちら→本編

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