業績連結決算:前期最終は12%減益で着地、今期業績は非開示
14日発表した昨年度1年間の決算は、売り上げが前年度から0.4%減って4兆6857億円、本業のもうけを示す営業利益が13.4%減って4053億円でした。
販売台数の減少や、主力のアメリカ市場で販売促進の費用が増えたことなどで減収減益となりました。
また、今年度1年間の業績見通しは、アメリカの関税政策などの影響で現時点で合理的な算定が難しいとして「未定」とし、今後、合理的な算定が可能となった段階で、速やかに発表するとしています。
ただ、今の関税措置が1年間継続し、何も対策を講じない場合には、営業利益で最大で25億ドル、日本円で3600億円余りの減益要因となる見込みだとしています。
昨年度アメリカで販売した台数は、66万台あまりと販売全体の70%を占めますが、現地での生産は35万台程度です。
日本からの輸出には関税がかかるため、会社は現地の工場での増産など、関税の影響を緩和する対策を検討するとしています。
米中の対立軸弱まり 歓迎すべき状況 「年度を通じて関税の影響を受けた場合でもさまざまな対策を講じ、まずは営業利益で1000億円レベルを狙う」
アメリカと中国が互いに課していた追加関税を115%引き下げたことについては「米中の間で、関税戦争が収束するかどうかはわかりませんが、対立軸が少し弱まってきていることは、非常に歓迎すべき状況だと思います」
その上で、「今度は日米の関税交渉によい影響を及ぼしていただけるのではないかと期待感を持っています」
5月14日後場(13:00)に決算(国際会計基準=IFRS)を発表。
25年3月期の連結最終利益は前の期比12.2%減の3380億円に減った。
なお、26年3月期の業績見通しについては配当(115円)以外は開示しなかった。
直近3ヵ月の実績である1-3月期(4Q)の連結最終利益は前年同期比76.0%減の206億円に大きく落ち込み、売上営業利益率は前年同期の8.1%→3.1%に悪化した。
業績の先行きをめぐる投資家の警戒感が高まり、発表を受けて売りが優勢になっている。
<2025年3月期 通期業績:連結売上収益>
国内連結販売は、フォレスター、アウトバックやクロストレック ストロングハイブリッド搭載モデルなどの登録車販売を中心に堅調に推移し、前年同期比5.4%増の104千台となりました。海外連結販売は、主要市場の米国における小売販売が32か月連続で前年同月超えを達成したものの、海外市場における足元の販売状況や在庫台数などを踏まえた出荷を進めてきたことにより、同5.2%減の832千台となり、販売会社に対する卸売などの全世界連結販売台数は同4.1%減の936千台となりました。

前期【実績】
決算期 | 売上高 | 営業益 | 経常益 | 最終益 |
---|---|---|---|---|
2023.03 | 3,774,468 | 267,483 | 278,366 | 200,431 |
2024.03 | 4,702,947 | 468,198 | 532,574 | 385,084 |
2025.03 | 4,685,763 | 405,308 | 448,507 | 338,062 |
前年比 | -0.4 | -13.4 | -15.8 | -12.2 |
なお、上記に伴い、国内生産は前年同期並みの602千台、海外生産は同6.3%減の345千台となり、世界生産台数は同2.4%減の946千台となりました。
連結売上収益は、新型車効果や価格改定、為替変動などによる増収効果があったものの、海外の厳しい競争環境による販売奨励金の増加および販売台数の減少などにより、同0.4%減の4兆6,858億円となりました。
<2025年3月期 通期業績:連結損益>
連結損益についても、連結売上収益同様の理由などにより、
営業利益は前年同期比13.4%減の4,053億円
税引前利益は同15.8%減の4,485億円
親会社の所有者に帰属する当期利益は同12.2%減の3,381億円となりました。
<2026年3月期 通期連結業績見通し>
米国の関税政策の動向など、当社グループを取り巻く事業環境は不透明な状況が続いており、現時点で合理的な業績見通しを算定することが困難であることから、2026年3月期連結業績見通しは未定とします。
なお、全世界生産台数ならびに連結販売台数は、バッテリーEVの自社生産に向けた矢島工場における工事影響があるものの、900千台を目指します。
本資料に記載されている業績見通し等の将来に関する記述は、発表日現在において入手可能な情報に基づいたものであり、実際の業績等は今後様々な要因によって大きく異なる可能性があります。
