パート3:レヴォーグSTIスポーツのデザインについてまとめました。
スバル『レヴォーグSTIスポーツ』は発売前に、東京オートサロン2016でテストマーケティングを行った結果、内装についての評価は大きく2分されたという。
レヴォーグSTIスポーツの内装は、ボルドーを基調にブラックが使われている。この内装について、「これまでのSTIファンはそっぽを向いた。一方でそうではないユーザーも結構多くいた」とは、スバル商品企画本部デザイン部主査の中村真一さんの弁。
「STIのことはよく知らないが、これはいいと思う。いつ出すんだと、ナチュラルにこのデザインや仕立てを見たユーザーはとても肯定的だった」と述べる。
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これまでのSTIの内装のイメージについて中村さんは、「(黒に赤ステッチなど主張が強いことから)お客様がSTIに寄り添うイメージだ」と話す。しかし、「レヴォーグの色味はユーザーに寄り添えるイメージを大事にしている」。これはSTIスポーツでも同様で、「もっとお客様やファンを増やし、普段の生活の中に溶け込むくらいのデザインでないと広く理解してもらいないと思い、色味の加減と配分は相当吟味した」と中村さん。
STIであるから、「マークをどこに配分するかについては、STIとブランドイメージを崩さないルールを確認しあった。そのうえでSTIらしいレッドのイメージを使うことで、スポーツマインドを持たせながらも、普段使いのお客様に提供できるかを探った」とも。
特に、「奥様方のマインドにもフィットしないと、ご主人は良いといってもこの内装の赤は強すぎるとか、私の友達に見せられないなど、実際にいわれてしまう」。しかし、レヴォーグSTIスポーツの内装であれば、「おしゃれだと思うなど、支持してもらえるポテンシャルがあることが(オートサロンで)わかった」という。
つまり、「お客様に寄り添えるさりげなさと、気持ちいいフィーリングをどれだけ与えられるかだ。赤では鮮やかすぎ、強すぎるのでボルドーにし、STIの赤のステッチでSTIらしさも合わせて表現した」と中村さん。更に、「(ステッチは)細くてアクセントレベルなので、うるさくならないちょうどいい程度にうまく纏めることができた」と自信を見せる。
この赤ステッチが入るところは、「黒の上であってボルドーの上ではない。また、全部黒い内装の中に赤ステッチを入れるとその強さが出るが、今回はボルドーも使っているので同化作用で、ほどほどに良い強さの赤ステッチになる。これが今回の繊細な味付けで、自信作だ」と語った。
このクルマは上質な走りとともに、内装もそれに合わせた世界観を持たせたもので、レヴォーグのトップグレードに位置する。
これまでのSTIの内装は、黒に赤いラインがあるなどでその世界観を表現。
だがしかし、今回のレヴォーグSTIスポーツはそうではなく、「より上質な走りに合わせた内装の世界観を表現するために、ボルドーを使っている」とは、スバル第一技術本部内装設計部鈴木正志さんの弁。
具体的には、「前から後ろ、あるいは後ろから前に流れるデザイン部分には黒を採用。比較的大きな面積を取れるところをボルドーにしている」と鈴木さん。
更に黒を使いながら赤ステッチを取り入れたことで、「STIのスポーティ性を表しており、いわば、大人のスポーティさを目指しているのだ」と説明した。
実はこのボルドーのカラーは、レヴォーグがデビューしたころに出来ていたという。「とても良いカラーが出来たので、期間限定や台数限定ではもったいない。そこでトップグレードなどラインナップにしっかり落とし込んでユーザーに見てもらいたいと考えた」と振り返る。
「このカラーは、万人が欲しいということにはならないかもしれない。正直にいうと怖さはゼロではない」と懸念を見せる。しかし、「そこをきちんと受け止めることで、スバルの内装色はもう一段上に行けると思っている」と話す。
そして、「このボルドーを使えるのはレヴォーグ以外考えられない。いきなり『フォレスター』に採用したら抵抗感が大きいだろう」とし、「最初にレヴォーグに採用したうえで、その世界観を『レガシィ』へ。その後『フォレスター』に展開したら納得してもらえる。このような展開をこれからやっていかなければいけない」と語った。
・レヴォーグSTIスポーツについてまとめました。パート2(初期受注で3000台を達成)
・レヴォーグSTIスポーツについてまとめました。パート1