WRXS4 今後フツーのセダンは生き残れなくなる
ある意味、日本のセダンの限界と同時に未来を感じさせるモデルが誕生した。スバルWRX。
従来はスポーツセダン&ハッチバック「インプレッサ」の派生車種であり、ラリー車両のベースモデルだった「インプレッサWRX」を「WRX」の名で独立させたものだ。
細かく言うと300馬力の街乗り仕様「WRX S4」、308馬力でデカいリアウイングを付け、足回りをガチガチに固めた走り屋仕様「WRX STI」の2種類がある。
今回は前者に乗ってみたがこれが味が濃い。
見た目は今春デビューの新型スポーツワゴン「レヴォーグ」のセダン版っぽいが、実はトランクを含むリア回りはもちろん、フロントフェンダーからフロントドアまで新作。
結果、全長×全幅×全高は4595×1795×1475mmと全長はレヴォーグより短いが、全幅は15mmも広く、普通のスポーツセダンにあるまじき筋肉質なデザインをまとっている。
乗っても300馬力の2リッター水平対向4気筒ターボはさすがの力強さで、発進直後から独自の極太トルクで速い速い。乗り心地は街乗り仕様だけに意外としなやかだが、それでもステアリングフィールは濃厚。シートもかなりスポーティーなバケットタイプだ。
しかしこれだけクルマ離れが叫ばれる中、なぜにスポーツに特化したセダンなのかというと、今や平凡で使いやすいだけのセダンが売れない現実を示している。
普通に快適なクルマなら安いコンパクトハッチや広いミニバンで十分なのだ。
もはや強烈な個性を持たなければセダンは生き残れない。
WRXの登場は日本の自動車業界の変化を如実に映し出している。