スバルテクノロジー:実感アイサイトver3 スバル・レヴォーグ公道試乗 ドライビングプレジャーと運転支援テクノロジーの融合*一部抜粋

最終更新日:2016/07/12 公開日:

アイサイトについてをお伝えしたいため、元記事より一部抜粋としています、ご了承ください。

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アイサイトver3の初搭載モデルという点も大きな付加価値となっている。アイサイトver3はこれまでのver2の単なる進化版というより、1000万円を超えるラグジュアリーセダンと同等レベルの新機能が盛り込まれている点が、現在では唯一無二の存在といえる。

もともとアイサイトver2で始まった「ぶつからないクルマ」というイメージは衝突回避・被害軽減自動ブレーキを意味するが、正直なところこの機能は万が一のドライバーのミスをカバーしてくれる安心装置であり、日常的にお世話になることはありえない。日常のドライブで恩恵を受けるのは全車速追従式クルーズコントロールであり、ver3はこの機能に加え、65km/h以上の巡航では自動操舵に近似したオートアシストが加わっているのだ。

市街地走行では全車速追従のクルーズコントロールと車線逸脱警報の2機能が働く。一端クルーズコントロールをセットすると、前走車を追従し、前走車が止まればレヴォーグも停止し、前走車が発進すれば、自分の発進が遅れると発進の催促音もする。また走行中に車線を外れそうになると警報音が鳴る。こうした機能は渋滞時では最高のドライバー支援システムとして機能し、有り難味がわかる。

さらにレヴォーグは、自動車専用道路や高速道路では、これに加えて両側の車線を認識することで、前走車に追従しながら車線からの逸脱、車線の中央をキープするように操舵アシストが、つまりアクティブレーンキープ(詳細説明は公式サイトへ)が働くのだ。

ActiveLaneKeep

この自動修正舵の機能は、車線を逸脱しそうになった場合には緩やかに修正舵が行なわれ、車線中央維持機能でも車線からずれそうになると自動的に修正舵が働く。もちろんこの場合、ステアリングホイールは軽く握っている必要があり、手で握っていない場合は数秒で警告が表示され、機能はキャンセルされる。

高速道路で試すと、クルーズコントロールは114km/hまでセットできるが、これは実車速が100km/hという意味だ。クルーズコントロールをセットし、前走車をカメラが認識するとディスプレイにグリーンの表示が現れロックオンされたことがわかる。この状態ではステアリングを握る力を緩めるとカーブに合わせて微小な修正操舵トルクが発生するのがわかる。ただし、常に車線の中央を維持するために頻繁な修正操舵が行なわれるわけではなく、車線の中央からやや離れると初めて修正操舵が行なわれるようになっている。このため、隣の車線に車両が併走しているような場合、そちらに少し近寄る気配になることもあるが、一瞬の間を置いて修正操舵が行なわれるということがわかった。

実際のところ日本の道路交通環境では、ドライバーの意思だけで自由に走ることができるケースは10%未満で、通常は常に前後左右にさまざまなクルマが混在している状態でのドライブとなる。東名や名神など幹線高速道路では深夜でも車線をまるで列車のようにクルマが連なって走っているのが実情だ。そんな状況では、アイサイトver3を体験するともう止められなくなる気がする。

もちろん、まだいくつかの課題もあると感じた。一つは車線逸脱の警報音や、クルーズコントロールをセットした状態で交差点を曲がる場合、前走車を一瞬カメラが見失った時の警報音など複数の警報音が鳴るため、紛らわしく、煩わしい。近いうちには車線逸脱警報は、警報音からステアリングを微振動させるという手段に変更されると思われる。

もう一つは、クルーズコントロールのセットや、アクティブレーンコントロールの状態では、ディスプレイ上で前走車がカメラによって認識されていることをその都度確認する必要があるが、現状では従来タイプの丸型タコメーターとスピードメーターの間にある小さめの液晶ディスプレイに表示され、視覚的にも窮屈だ。将来的には、メーターを含め複合的でより整理された表示方法や、AR(拡張現実)を含めたディスプレイに移行すべきだと改めて感じた。

<松本 晴比古>

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