DX、デジタルの力でモノを作る会社から笑顔を作る会社へお客様との結びつきを強化

最終更新日:2024/07/01 公開日:

「自動車」と「航空宇宙」の 2 つの事業で、グローバルにビジネスを展開する株式会社SUBARU。

航空機メーカーの DNA を持ちつつ、「安全」を最優先に考えた「人を中心としたモノづくり」は、同社の自動車ユーザーから高く評価されている。

SUBARUでは、デジタル化DXが進んでいなかった。

社内全体で共有できるゴールを明確にし2 つの領域でのデジタル化に着手

>>スバル 大崎篤 座右の銘は「冷暖自知」はこちら



主力市場となる米国で特約店がユーザーにアンケートを取ったところ、最も数多く出てきた言葉が「LOVE」だったという逸話がある。

日本でも SUBARU 愛好家は数多く存在し、このようなユーザーは「スバリスト」と呼ばれている。

その SUBARU が 加速しているのが、DX への取り組み。しかし当初はなかなか一筋縄ではいかなかった。

「一般に DX というと、データやデジタルを活用して製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや組織、企業文化、風土も変えていくことを意味している。」

「自動車業界でも外的環境が変化しており、DX に取り組まなければならないという、強い危機感を持っていました。しかし自動車メーカーは単一ビジネスモデルで成立しており、その特性は大規模設備投資型です。そのため『ビジネスモデルの変革』といっても、そう簡単に着手することができない状況です」

「とはいえ、現実に社内プロセスの課題が認識されており、コロナ禍の影響もあったことから、社内の風土変革は不可避だと判断。」

「そこでまずは、経営から従業員まで共有可能なゴール(ビジョン)を設定し、地に足のついた「SUBARU らしいデジタル化」を目指すことに。」

「具体的には『SUBARUブランドとお客様との結びつきを強くする』ことをゴールに掲げ、大きく 2 つの領域で取り組みを進めることにします。

1 つは「コトづくり」でお客様向けの新たな価値を創出する DX。

もう 1 つは「モノづくり」を強化するためのデジタイゼーションです。

「コトづくり」、SUBARUオーナーのためのドライブアプリ「SUBAROAD」の開発に着手。
これはSUBARU車の基本性能の高さを活かしつつ
地域の特色を愉みながら気持ちよく走ることができるドライブコースを提案する、というもの。

ドライブ中は車の位置情報とリアルタイムに連動し、観光情報などを音声コンテンツとして提供。さらに定額制音楽ストリーミングサービスとも連携し、車窓から見える景色に合った音楽を流すといった機能も装備

開発が始まったのは 2018 年。
その後、先程のような議論を行いながら、具体的な形へと作り上げていた。
リリースは 2021 年 12 月。
その翌年には公益財団法人日本デザイン振興会が主催する「グッドデザイン賞」を受賞しました。

「モノづくりの強化」では、「グローバル PLM(Product Lifecycle Management)」と呼ばれる基盤を構築。
開発、調達、製造、販売、カスタマーサービスなど、部門ごとに分かれていた情報システムを、データレベルで連携。

各部門のシステムはオンプレミスで運用されており、メインフレームを利用したシステムも存在。

これらを統合するためのシステムを新たに構築することは『システムをまとめるためにシステムを増やす』という矛盾をはらんでおり、根本的な問題解決にはつながらない。
製品軸で車両生涯のデータを一元管理するための活動を展開。
そのデータ統合基盤を『部門横断的なプロセス改革の基盤』にする、というアプローチを採用。

この取り組みは 2019 年に着手され、2022 年 3 月にグローバル PLM が完成。

これによって、クルマ 1 台の開発・生産からアフターメンテナンスまで一元的な情報管理が実現。
クルマの健康状態を、そのライフサイクル全体で把握できるように。
その中にはお客様情報を管理する CRM も組み込まれており、万一生産段階で問題が発見された場合には、その同型車を購入したお客様に即座に連絡できるように。

クルマのソフトウェア開発とは異なる点が、大きく 2 つあることに気付きました。
1 つは企画・開発スタイルです。クルマのソフトウェアでは、サプライヤーと共同で独自のソフトウェアをゼロから『クリエイト(創造)』すればいいのですが、DX ではその前にハードウェアや環境を『セレクト(選択)』しなければなりません。

またソフトウェアが完成した後は、クルマの場合にはそのまま『フィックス(固定)』されますが、DX ではソフトウェアの維持・改造・運用といった『ランニング』を考える必要があります。

DX では『ランニング』を視野に入れながら、適切な環境を『セレクト』しなければなりません。そうでないと、後々に大きな問題が発生する懸念があります」

そこで、DX を迅速に推進するためにクラウドの活用を決断。

その中で 3 つの要件を満たしていた AWS を選定しました。
第 1 はグローバルレベルでの高いセキュリティを実現していること
第 2 は多様な機能に加えて周辺ツールも十分に揃っていること
第 3 が、会社としての AWS が人材育成に積極的なことです。

いくら優れた機能を持つシステムインフラでも、それを使いこなすのは人間であり、その活動をサポートするには各種ツールが欠かせない。
長期的に DX に取り組む上で、最適なクラウドとしてAWSだと判断




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