新型レヴォーグ年内に発売
SUBARU(スバル)は10月15日、全面改良するスポーツワゴン「レヴォーグ=写真」を年内に発売すると発表。
衝突防止機能などを備えた運転支援システム「アイサイト」を刷新し安全性能を高めたほか、走行性能を磨き上げスポーティーさを向上させた。消費税抜きの価格は282万円から。8月20日から10月14日までの先行予約で8290台の申し込みがあったという。月販2200台を目指す。
オンライン発表会で中村知美社長は「次世代スバルのトップバッターを担う車種。マザーマーケットである日本は重要市場で、最新の技術は日本のレヴォーグから投入する」と強調。
新型レヴォーグは排気量1800ccの第4世代の新型水平対向直噴ターボエンジンを採用。ハンズオフ機能などを備えた先進運転支援システム(ADAS)「アイサイトX」をスバル車として初搭載する。
より一般道での安全性を高める
衝突軽減ブレーキなど運転支援システムの先駆けとなったSUBARU(スバル)の「アイサイト」が新世代モデルに生まれ変わった。センシング技術を高め、高速道路でのハンズオフなどを備えた先進運転支援システム(ADAS)を付加して年内発売のスポーツワゴン「レヴォーグ」に初搭載される。スバルは先進的な安全技術を提供しながら購入しやすい価格に抑え、顧客への普及を目指す考えだ。
「死亡交通事故のシナリオを分析し、段階的に機能を追加する」。10月初めに報道陣向けに開かれたレヴォーグの試乗会で、スバルの藤貫哲郎執行役員最高技術責任者(CTO)は、運転支援システムに必要な機能を少しでも多く搭載する考えを示した。
新型アイサイトはセンシング技術を高め、これまで難しかった一般道での交通事故シナリオを防ぐ安全機能を充実させた。横断中の飛び出し自転車や、右左折時の歩行者の衝突、右折時の対向車の衝突の回避支援機能を追加した。街中の死角となる交差点での事故リスクを減らすことができ、より一般道での安全性を高めている。
今後の安全技術の進展について、アイサイト開発責任者である柴田英司第一技術本部自動運転PGMゼネラルマネージャーは「交通事故リスクを判断するためにセンシング技術をどう磨くかが重要」と、センサー技術の進化が安全機能を左右するとみる。
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一般的にハンズオフなどの先進運転支援技術は、プレミアムカーへの搭載が中心だ。日産自動車の高級セダン「スカイライン」に先進運転支援技術「プロパイロット2・0」を搭載したグレードは税込み価格557万円から。独BMWも日本市場に投入した「3シリーズセダン」は同489万円から機能を備える。
一方、スバルは先進運転支援技術を搭載しても、一般消費者が手が出せる普及価格帯にこだわった。ハンズオフ機能などADAS機能を搭載したレヴォーグは同348万円から。価格を抑えるため、高精度のセンサーを安全確保に必要な最小限の数に抑えコストを削減した。さらに長年アイサイトの技術で培ってきたノウハウを組み合わせ、費用対効果が高く他社の車と遜色ない安全性能を備えた。
かつて、アイサイトの前身として発売した「ADA(アクティブ・ドライビング・アシスト)」が顧客設定と価格が見合わず、高すぎて売れなかった経験を持つ。その経験を糧にし、手頃な価格で使える安全技術の開発に力を入れてきた。顧客ニーズを取り込むことで安全技術の普及につなげていく考えだ。
日系自動車メーカー4社の8月の米国新車販売台数
前年同月比21%減の約41万台だった。新型コロナウイルス感染拡大の影響で6カ月連続で減少した。改善傾向にあった減少率は7月の同15%減、6月の同19%減と比べ悪化した。営業日数が前年同月と比べ2日間少なかった影響を受けており、需要の回復傾向は続いているようだ。
SUBARU(スバル)が同17・4%減だった。マツダはスポーツ多目的車(SUV)「CX―30」の新車効果があったが、同5・1%減と3カ月ぶりに減少した。
7月の減少率と比べると、トヨタ(同19・0%減)、ホンダ(同11・2%減)、マツダ(同3・4%増)の3社が悪化し、スバル(同19・7%減)は改善している。
これからのスバルに目を離せない。
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