S207について

最終更新日:2017/08/19 公開日:

東京モーターショー2015のスバルブースにてベールを脱いだSTIコンプリートカー「Sシリーズ」の新作「S207」が、10月29日に正式な注文の受付を始めてから“わずか1日”で事実上の完売状態となってしまいました!「S207」は、SUBARU WRX STIをベースに、STIが理想とする「運転が上手くなる車」を徹底的に追及、運動性能を磨き上げたコンプリートカー。

「Sシリーズ」とは、スバル車最強の性能と最高の品質を備えた、全世界のスバルファン垂涎&待望の極みにある極上コンプリートカー。

2012年発売の前作「S206」は、カーナビを付けて諸費用を入れると600万円を軽く超えるという、スバル車としては史上最高値の定価で販売。にもかかわらず、発売から2週間ぐらいで限定300台を売り切ったことも頷ける、国産車としては途方もなく甘美な乗り味に陶酔させられたものです。

今回は、標準モデルとなるS207が200台、NBRチャレンジパッケージが200台、そのうち特別色のS207 NBRチャレンジパッケージ・イエローエディションが100台という限定生産で、価格は標準モデルで599.4万円(税込み)、NBRチャレンジパッケージが631.8万円(税込み)、そしてイエローエディションが637.2万円(税込み)となっていた。

S206の場合はNBRチャレンジパッケージで593.25万円で、今回は600万円の大台を超えており、STIがスバル本社に提案した段階では営業担当は価格を知って懸念を示したという。しかし、歴代のSシリーズ同様に今回のS207も即日完売となっている。

S206は2011年に販売された。限定300台。S206には、インプレッサ WRX STIのニュルブルクリンク24時間レースクラス優勝を記念して、カーボンルーフやドライカーボン製リア・スポイラーなどの追加装備が奢られた「NBR CHALLENGE PACKAGE」という超スペシャル・エディション(593万2,500円)も設定されていましたが、こちらはすでに100台の販売予定台数がなんと即日ソールド・アウト。


630万円を超えるNBR CHALLENGE PACKAGE仕様なら諸経費とカーナビ込みで700万円近くになり、スバル車史上最高額を更新。詳細が明らかになる以前は「さすがに今度のSは高すぎて販売が苦戦するのでは?」とのウワサもありましたが、内容を見てその懸念は吹き飛びました。

いつものSTIコンプリートカーと同様に、発売されることがわかった段階で何台かの予約が入っている様子だったものの、まさか1日で受付が終わってしまうことになるとは!

スバル車としては初となる、購入希望者の「抽選」が10月30日に実施されるとのことでありました。

伝説の限定車「22B」でさえ2日間を要したというのに、前作よりも値段がさらに100万円高くなってもなお、即時完売状態に。新たな伝説の誕生です。

これだけ最初から飛びついた人が多かった理由は、今度のS207には、いつもに増してSTIの「入魂ぶり」が伝わってくることに加え、現行型のWRX STIがモータースポーツの現場で華々しい結果を残しているからに違いありません!

S207の開発コンセプトは、強靭でしなやかな走り、1クラス上の高品質を実現すること。

コンセプトは「究極のロードゴーイングSTI」。

さらにSTIの説明では、『レースカー並みに引き上げた「ドライバーが意図した通りに操れるハンドリングの愉しさ」に加えて「上質な乗り心地」と、一般的には相反する二面性を高次元でまとめ上げた高質なスポーツカー』とありますが、STIの歴代コンプリートカーには“世界でもっとも競技車と市販車の繋がりが濃いクルマ”であるという最大の武器となる側面があります。

モータースポーツで得たノウハウをフィードバック、とはどこのメーカーでも使う言葉ですが、STIは競技車と市販車の関係の濃密度がケタ違いに高いのです。

S207」は、Sシリーズ史上最高スペックとなる最高出力328PS/7200rpm、最大トルク44.0kgm/3200-4800rpmを発生するEJ20型水平対向4気筒DOHC 2.0リッターターボエンジンを搭載。変速機は6速MTを組み合わせ、駆動方式は4WD。

エンジンには、構成部品のバランス取り、専用設計のECUによるエンジン制御、ベース車比で通気抵抗を約50%低減した排気システムを採用したほか、ボールベアリングターボによる効率化や過給圧アップなどを施した。

エンジン。

毎回、WRX STIベースのSTIコンプリートカーが出るたびに「ついに最後か!?」とウワサされるEJ20ユニットにも、伸びしろはまだありました。

年にわたり鍛え抜かれた戦う強心臓への敬意が足りなさすぎであることを激しく後悔させられます。

各気筒一発ごとの燃焼が積み重なって炸裂するパワー感を伴いながら、天井知らずに8000回転まで回り切るダイナミックなフィーリングを味わうと、退役どころか「WRXのエンジンは、未来永劫これで良い!」と叫びたくなる魅力は今もまったく色褪せず。

これからもまだまだ味わい尽くしたくなる珠玉のユニットEJ20に、満を持しての入魂チューニングが施されました。


ボールベアリング・ツインスクロールターボということで、S206や過去のスペックCでも味わえた、アクセルペダルとタービンが繋がったかのようなタイムラグのない鋭敏なレスポンスが予想されますが、STIが掲げたポイントは「トルクコントロール性の高度な調律」。

アクセルを踏もうと思った瞬間からブーストが立ち上がるかのような、極めて繊細、かつ上質感を伴う過給音が聞こえてきそうです。

さらにSTIは「回転フィールの向上は『S』としてのこだわり。滑らかにストレスなくまわる『S』に相応しい〝贅沢なフィーリング〟を実現した」と述べているので、ここは過度に期待をしても良い部分でしょう。

S206に対しては、最大トルクの発生領域を高回転域まで幅を広げ、低速域からの分厚いトルクと高回転域の伸びを確保。扱いやすさと気持ち良さを両立させたとありました。

これが26年の集大成として最後のEJ20になったとしても、是非に及ばず。それこそ未来永劫にわたって大事に乗り続けるべき、世界遺産的な存在として、S207の価値をさらに引き上げる要因となります。

 

エクステリアは「STI製専用大型フロントアンダースポイラー」「リアバンパーエアアウトレット」を採用して走行性能を向上。インテリアはセミアニリンレザーを表皮に採用したS207専用設計のレカロ「バケットタイプフロントシート」で大腿部のサポートと腰まわりのホールド性を向上させ、バックレストのフォルムを最適化するなど、ホールド性を追及した。遮音用中間膜を挟み込んだフロントウィンドスクリーンの採用や吸音材・防振材などを追加して、静粛性や快適性など走りの上質感に配慮した。

【「S207」主要諸元表】

寸法・重量
車名・型式 スバル・CBA-VAB
全長(mm)/全幅(mm)/全高(mm) 4635×1795×1470*
トレッド[前](mm)/トレッド[後](mm) 1535/1550
最低地上高(mm) 135
車両重量(kg) 1510
車両総重量(kg) 1785
エンジン
型式・種類 EJ20・水平対向 4 気筒[BOXER]
2.0ℓ DOHC 16 バルブ デュアル AVCS ツインスクロールターボ
最高出力[ネット][kW(PS)/rpm] 241(328)/7200
最大トルク[ネット][N・m(kg・m)/rpm] 431(44.0)/3200~4800
燃料タンク容量(ℓ) 60
燃料種類 無鉛プレミアムガソリン

*:ルーフアンテナを含む数値。ルーフ高は1460mmになります。

【販売計画】
限定400台(受注期間:2016年3月6日まで)
※即日完売という伝説を残す!
-NBR CHALLENGE PACKAGEは限定200台。
-NBR CHALLENGE PACKAGE YELLOW EDITIONは限定100台(受注期間:2015年11月30日まで)

【メーカー希望小売価格】

車 種 価 格(単位:円) ボディカラー
車種名 グレード エンジン 駆 動 変速機 消費税込 消費税抜
S207

標準仕様

2.0ℓ
水平対向 4気筒
DOHCターボ
AWD 6MT 5,994,000 5,550,000 WRブルー・パール
クリスタルホワイト・パール*
クリスタルブラック・シリカ
NBR CHALLENGE PACKAGE 6,318,000 5,850,000

NBR CHALLENGE PACKAGE
YELLOW EDITION

6,372,000 5,900,000 サンライズイエロー(専用色)*
注)本車両は架装車両のため、持ち込み登録となります。
☆印: 写真掲載グレード
*:32,400円高(消費税込)


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